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　内閣府は18日、「一億総活躍社会」の実現に向けて介護の受け皿を確保するといった政策の効果で、労働力の供給が増え、2025年度時点で賃金総額が6兆円近く増えるといった試算を経済財政諮問会議の会合で示した。【佐藤貴彦】

　試算によると、介護の受け皿確保や介護人材の待遇改善などに加え、子育て支援を充実させたり高齢者の雇用を促進したりすることで、労働力の供給が、25年度時点で約204万人分増える。それにより、賃金総額が約5.8兆円増加する。

　一方、非正規雇用者の待遇改善や最低賃金の引き上げが賃金総額を増加させる効果は約23.7兆円。労働力の供給増と合わせた賃金総額の引き上げ効果は約29.5兆円に上り、結果として可処分所得は約24.3兆円、消費支出は約20.4兆円増える。さらに、国・地方の税収と社会保険料収入も増え、子育てや介護の支援策を充実するための財源が確保される「好循環」をもたらすとしている。

■社保費伸び抑える「目安」と一億総活躍、どっちが大事？

　同日の会合では民間議員が、一億総活躍社会を実現させるといった重点課題に取り組むための財源が継続的・安定的に確保されなければ、その効果が「制約」されかねないと指摘。さらに、「アベノミクス」によって安定的な税収増と、生活保護世帯数(高齢者世帯を除く)の減少といった歳出削減効果が生まれてきているとし、その結果生じる財源を、一億総活躍社会の実現などに向けた施策に活用すべきだと主張した。

　政府は今年度からの3年間で、社会保障関係費の伸びを1.5兆円程度、一般歳出の伸びを1.6兆円程度に抑えることを「目安」として掲げているが、民間議員が「目安を堅持するのか、(アベノミクスで生じた財源を)最重要課題に当てていくのか」と迫る場面もあった。一方で麻生太郎財務相は、税収増について「直ちに安定財源になるかは疑問」と述べ、一億総活躍社会の実現などに向けた施策の財源として扱うことに慎重な姿勢を示した。







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